ファウストボールの世界

 ファウストボールは、ヨーロッパ発祥の球技です。ドイツで成熟し、南米、アフリカ大陸などにおいても、ドイツの移民が普及しました。

 地図では、2019年の男子世界選手権大会、もしくは2018年のアジアパシフィック選手権大会に出場している国を示しています。2019年の時点で、61もの国が国際ファウストボール協会に加盟しています。

                                                    
アフリカ大陸
ベナンコートジボワールシエラレオネ
ブルキナファソケニア南アフリカ
カメルーンナミビアエスワティニ
中央アフリカナイジェリアトーゴ
アメリカ大陸
アルゼンチンコロンビアウルグアイ
ブラジルドミニカベネズエラ
カナダトリニダード・トバゴチリ
アメリカ
アジア
アフガニスタン日本クウェート
スリランカ香港モンゴル
チャイニーズタイペイインドネパール
イランパキスタン中国
韓国
ヨーロッパ
アルバニアイギリスポーランド
オーストリアギリシャロシア
ベルギーハンガリーセルビア
キプロスアイスランドスペイン
チェコイタリアスウェーデン
デンマークマルタスイス
ドイツオランダウクライナ
オセアニア
オーストラリアニュージーランドサモア
フィジークック諸島

ファウストボールの歴史

 ファウストボールというゲームがいつ始められたかは、はっきりとは分かっていません。しかし、その起源はヨーロッパの南部、おそらくイタリアにあると考えられています。紀元前3世紀の記録書には、拳で革のボールを打つゲームの発想の記載があり、恐らくファウストボールは世界で最も古いスポーツの一つです。240年に、ローマ皇帝ゴーディアンによって、このボールスポーツの試合の最初の記録が行われています。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテも、彼の旅行記「イタリア紀行」にて、このスポーツについて言及しました。

 ゲオルグ・ウェーバーが、1870年にドイツにファウストボールを導入しました。初期には主に体操選手によって行われ、1885年には ドレスデンにおいてのドイツ体操祭で初めてゲームが行われました。1894年にはウェーバーは、まだ現在のルールとは大きく異なるものの、ファウストボールをより競争力のあるスポーツにしました。この間、ファウストボールはドイツ近隣諸国に広がり、また南米や西アフリカなどにおいても、ドイツの移民が普及しました。1913年には、ドイツで初のドイツ選手権が行われました。体操からは離れ、1927年にはドイツで組織化されたファウストボールに、約12000のチームが参加しました。ファウストボールの急速な普及とスキルの向上により、ルールは変更され、ゲームはよりダイナミックになりました。

 一方、日本でのファウストボールの歴史はまだ浅く、1997年8月に行われたワールドゲームズ・ラハティ大会で、JWGA(日本ワールドゲームズ協会)の有志がこの競技を目撃し、日本に伝えました。同年末に秋田県ファウストボール協会が設立され、翌1998年に日本ファウストボール協会と改称、国際スポーツ連盟にも加盟しました。同協会は、1998年の第2回女子ファウストボール競技・世界選手権大会(オーストラリア)に日本代表視察団を派遣しました。そして、1999年の第10回男子ファウストボール世界選手権大会(スイス・オルテア)に初めて日本代表選手団を派遣しました。2001年の第6回ワールドゲームズ(秋田市)では男子競技5位の成績を収めました。


ファウストボールの大会

 男女別の世界ファウストボール選手権大会(一般、U-18)や、アジアパシフィックファウストボール選手権大会が開催されています。また、「第二のオリンピック」と言われるワールドゲームズの公式競技でもあります。
 男子の世界選手権は4年毎、女子の世界選手権は2年毎に行われています。
 次回の男子世界選手権は、2023年にドイツのマンハイムで行われます。次回の女子世界選手権は、2020年にチリのジャンキーウェで行われます。
 日本においては、毎年全日本選手権、全日本クラブカップ選手権が行われています。